元警官のベンは、誤って同僚を射殺してしまった負い目からアルコールに溺れ、
家族に見放されて、妹の家に転がり込んでいた。
何とか立ち直ろうとする彼に、大火災で廃墟となったデパートの夜警の仕事が
舞い込んできた。
妻と可愛い子供達と再び暮らしたいと願っていた彼は、その仕事を引き受ける。
廃墟となったデパートに飾られている大きな鏡。
それに触れてしまったベンの身の回りには、不思議な現象が現れはじめる。
かなり過激な表現に目を背けたくなるが、映画の中にぐいぐい引っ張られてしまう。
最後まで謎を追いながら、息を呑む。結末にドッキリとします。
後は、ネタばれになりそうなのでこの辺で。
監督:アレクサンドル・アジャ
主演:キーファー・サザーランド、ポーラ・パットン、エイミー・スマート
2008年アメリカ映画 ★★★★
「余命6ヶ月」と癌の宣告を受けた大富豪エドワードと自動車整備工として
家族のために地道に働くカーター。
そんな二人が、入院先の病院で同室となり、やがて意気投合し、残りの人生を
「やりたかった事を全部して」死を迎えるまでを描いている。
境遇の違いから初めは反発しながらも、治療の合間に語られるエドワードの言葉か
ら彼の孤独を感じるカーターの優しさ。
貧しくても一家の長として誇りをもち、惜しみない愛情を家族に与えるカーターに
何度も結婚したけど家族がいない僻みをみせるエドワード。
ある日、カーターの書いたメモを偶然見たエドワードが「やりたいことメモ」を書いて
全部やって死のうと提案。
「お金がない」と渋るカーターに、「金は全部俺が出す!病院を抜け出して、したいこ
と全部しよう」と強引に迫るエドワード。
初めはシブシブ付き合う感じのカーターだったが、やがてしたかったけど出来なかっ
た旅や遊びに夢中になり、心からエドワードとの旅を満喫する。
死を前に、子供のように無邪気に遊ぶ初老の男ふたり。
私もこんな大富豪の知り合いできないかなぁ~と羨ましい気持ちで見ました。
「余命〇〇」と宣告されたら、自分ならどんな時間を持ちたいだろうか?
最後に何をしたいだろうか?そんなことを考えながらも心がとても悲観的ではなく
て、明るい気持ちになるのも不思議でした。
エドワードとカーターを演じる二人の俳優の人間的魅力がたっぷり感じられる
素晴らしい作品でした。現代版おとぎ話として楽しんだらいいと思います!
主演:ロブ・ライナー
主演:ジャック・ニコルソン モーガン:フリーマン ジョーン:トマズ
オススメ度★★★★ 2007年 アメリカ映画
何とも不可解な作品で、導入部分は迫力があって期待感が大きかったが、
見るうちに退屈になり、やっと最後で納得というはずれ感が多い作品でした。
墜落した飛行機事故で奇跡的に助かった5名の乗客者。
セラピストのクレアは、彼らのカウセリングを命じられた。
しかし、エリックという男性はグループカウセリングを拒否し、
個人的に彼女にアプローチしてきた。
そしてそれを監視する上司……と内容を書くと、面白そう~と言うことになる
が、どうも最近こんな内容の作品が多いので、二番煎じを狙ったように思う。
主演の女優アン・ハサウェイの美しい顔を眺めているだけでもファンは嬉かも
しれないけど、逆に退屈な内容にしてしまったのでは。
宣伝する内容は面白そうだけど、これ以上感想を書くネタばれになりそう。
監督:ロドリゴ・ガルシア
主演:アン・ハサウェイ、パトリック・ウィルソン 2008年アメリカ映画
オススメ度:★★
16世紀のイングランド王ヘンリー八世の王妃は、なかなか世継ぎの男の子を
産むことが出来なかった。やっと授かった男の子も死産だった。
二人の間は口さえ聞かないほど険悪になっていた。
野心家の家臣は、このことを知ると義兄に知らせるべく密かに姉が嫁ぐ
ブーリン家に馬を走らせた。
王妃に世継ぎが望めないなら、必ずヘンリー王は愛人を持とうとする。
このことが公になれば、誰もが競って娘を愛人となるよう策をねるだろう。
われわれが先んじて、長女アンを差し出そう。
しかし、ヘンリー八世が目に留めたのは、結婚したばかりの心優しい次女
メアリーだった。
王の要請は、表向きは王妃の侍女としてだが、愛人にされることは明白、
初めは激しく抵抗したが、夫にも重要な職を与えられたと打ち明けられ、
拒否できない夫の気持ちを知るメアリー。
彼女は、夫にも父親にも裏切られた気持ちで宮廷へ行く事を決心する。
しかも、姉のアンはヘンリー王を横取りしたと、メアリーに激しく嫉妬し、
憎悪の炎を妹へ向けるのだった。
四面楚歌のメアリーは、やがてヘンリー王の寵愛を受けるうち、
王を本当に愛するようになっていく。そして、男の子を出産。
しかし、その間に叔父と父親は、自らの野望の為に姉のアンを王に
近づけるよう図っていた。
しかし、アンは素直に愛人となる事を拒み、ヘンリー王に王妃と離婚して、
自分と結婚するよう要求する。
王の離婚は、ローマ・カトリック教会と決別する事でもあった。
歴史的にもこの離婚によって、ローマ・カトリック教会と決別し、
プロテスタント勢力の陰謀もあったのだが、
国教会を設立することになった。
アンとヘンリーは、やがて結婚したが、二人の間には優しい愛情の
交流はなく、激しい諍いの続く暮らしとなっていく。
アンは娘を出産。世継ぎの男の子は望めなかった。
しかも、弟との近親相姦の疑いを持たれ、事実無根と訴えたが、処刑されてしまう。
このアンが産んだ娘を妹のメアリーが育て、メアリーの産んだ男の子は
世継ぎにはならず、アンの娘がエリザベス1世となり、
安定した国造り、強国イギリスへとのし上がっていった。
映画は、事実とは少し違うように描かれているそうですが、自分の理不尽な運命を
静かに受け入れた妹と、自ら望むよう道を切り開いたものの、
幸せにはなれなかった姉の正反対の一生を描いている。
ともに感じるのは、二人の姉妹の強さです。
自らの人生を望まない方向でも受け入れ、耐えて、そして最後には幸せを掴んでいるメアリー。
望むものを手に入れながら、幸せになれず、事実無根の咎で処刑されたが潔かったアン。
アンは、ナタリー・ポートマン、メアリーにスカーレット・ヨハンセンが熱演している。
この作品は、人気作家スーザン・マイノットのベストセラー小説を映画化したもので、
過去の回想シーンを織り交ぜながら、歌手を目指した女性の夢と現実を描いた
しっとりとした感動ある物語です。
死期が迫った母親アンが混濁した意識のなかで何度も口走る「ハリス」と言う男性の名前。
「私は過ちを犯してしまった…」繰り返し口走るうわごとに二人は困惑して顔を見合わせる。
母の過去に何があったのか?二人の娘は母の古いアドレスなどを調べ始めるが、
どこにも手がかりはなかった。
ある日、母の古い友人というライラという老婦人が見舞いにやってきた。
娘たちが知らない人である。
母と二人きりで静かな語らいの後で、娘たちに「何でも聞いて頂戴。お話します。」と彼女は言った。
初めて知る、歌手を夢見て希望に燃えていた母の若かりし頃のハリスとの悲恋。
回想シーンで「ハリス」という男性との出会いと短い逢瀬は描かれているが、どうし
て結婚しなかったかには触れられていないので、物足りなさも感じた。
もう少し二人の葛藤などが織り交ぜていたら、もっと奥の深い作品になっていたと
思うし、中途半端な気分にさせられた。
監督:ラホス・コルタイ
主演:クレア・デインズ(若きアン)、ヴァネッサ・レッドグレーヴ(現在)、メリル・ストリープ(ライラ) 娘役を演じているのがヴァネッサとメリルのそれぞれの実の娘 というのも興味深い。
さて、今回見たウディ・アレンの脚本・監督「マッチポイント」は、すごく良かったです。
今までウディ・アレンの作品はあまり好きではなかったのですが、これはお薦めです!
野心に燃えたアイルランドの貧しい出の元テニスプレイヤーのクリスは、
テニスを教えることで
イギリスの上流社会の青年トムと意気投合し、その家族に好意的に迎えられる。
トムのアメリカ人の女優志願の婚約者ノラの奔放な魅力にひかれながら、
トムの妹クロエの
ひたむきな愛情を戸惑いながらも受け入れるクリス。
クロエは積極的にクリスに惜しみない愛情を注ぎ、二人は親密な関係となり、
やがて結婚するが、クリスの心の中にはノラがいた。
一歩、一歩成功者として上流社会の一員としての暮らしに満足する反面、
心の奥底では違和感も抱いていたクリス。
やがてトムの母親の反対で、トムとノラの婚約は破局を迎えてしまう。
妻を愛していると思っていても、どうしようもなくノラに引かれていくクリス。
ノラと偶然再会したクリスは、強引に電話番号を聞き、彼女を口説き落とす。
やがて二人は愛人関係となり、妻の目を盗んではノラの元に通うようになる。
妻と愛人、両方とも手元におきたいクリスの身勝手さ、手放したくない富、
野心ある男のギリギリの葛藤が見ていてゾクゾクした。
クリスを演じるジョナサン・リース・マイヤーズがすごくいい。
最初はアラン・ドロンの「太陽はひとりぽっち」やそのリメーク版を彷彿させられたが、
ウディ・アレンらしい濃厚な作りになっていて見ていて飽きなく、ラストがすごい。
監督:ウディ・アレン 主演:ジョナサン・リース・マイヤーズ スカーレット・ヨハンソン
エミリー・モーティマー マシュー・グード
2005年イギリス映画★★★★★
教会や聖書に書かれている事が絶対だった動乱の続く中世のイングランドが舞台。
若い神父ニコラスは、人妻と関係を持ち、姦通罪で追われる身になる。
彼は逃げる途中で旅周りの劇団と出会い、仲間に入れて欲しいと願い出る。
ある村を通りかかった時、少年殺しで捕らえられた女性を見かける。
彼女は耳も聞こえず、言葉も話せないと言う。
「絞首刑」という判決に、何も言えず涙を流す女性。
一向は、その村にとどまり「芝居」をする事になるが、その芝居は退屈で
村人はそっぽを向く。
劇団の座長は、日ごろから「聖書に基づかない新しい芝居」がしたいと熱望して
いたが、その時代では冒瀆であり、仲間からも強く反対されていた。
しかし、彼はこの村で起こった「少年殺し」を題材にしょうと反対を押し切り、
真相をニコラスと共に調べ始める。
聖書や教会が絶対の力を持っていた時代、若い神父が腐敗した教会へ問いかける
パワーのある作品です。
全体的に自然の映像が印象的で、美しい。
オススメ度は★★★★★
見ごたえがあります!
ものすごくいい映画でした。見終わったあとも心地よい余韻があってすばらしかった。
11歳と16日になるエヴァン(フレディ・ハイモア)は、ニューヨーク州にある孤児院で
育った。
彼は、自然界が奏でる音がすばらしい音楽のように聞こえ、その音が両親からの
手紙だと思えて、いつかきっと迎えきてくれると信じていた。
ある夜、こうこうと輝く満月を眺めていたら、自分で親を探そうと、誘われるように
孤児院を抜け出してしまう。
彼の目に飛び込んでくる初めて目にした街の様子に驚き、車の騒音、生活の音、
全て音楽に聞こえ、喜びに震えるエヴァン。
そして彼は公園でギターを弾き歌う同じ年頃の少年と出会い、孤児たちに住む家
を提供し、その代わり子供達に路上で仕事をさせて、その上前をはねる男と
出会うことになる。
彼の母親ライラ(ケリー・ラッセル)はチェリスト、父親ルイス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)はミュージシャンとしてある夜出会い、惹かれあい、一夜を共にする。
しかし、翌日二人は別々の公演があるので再会の約束も出来ない状態で別れてしまった。
11年間失意の中でひっそり暮らしていたライラに、死を前にした父親から思いがけない事を
打ち明けられた。
「死産だったと言った子が生きている」と。
実は、ライラは妊娠していたのですが音楽家として生きる事を望む父親に逆らえず、
ルイスに連絡も取れずにいたのですが、ある日事故にあい、
子供は死産だったと知らされていたのだった。
必死に息子を探し出すライラ。
演奏しているといつか親が見つけてくれると信じるエヴァン。
そして、ライラとの別離から普通の勤め人になっていたルイスも導かれるように
エヴァンのいるニューヨークへとやってきた。
筋書きとしては少し荒っぽいけれど、孤児院で育った少年が始めてギターに触れ、
音を出した驚きと嬉しさ、音楽への興味と憧れ、親を思う心に引き込まれてしまう。
映像がとてもきれいで、見ている観客もまた音楽家のような躍動感を抱かせる。
悪役のロビン・ウィリアムズ が存在感があり、悪に徹し切れない人の良さも見事に
演じて、味のある作品にしていると思う。
また、彼自身も孤児院で育ったと言うジョナサン・リース=マイヤーズの歌声に
しびれました。すごいいい!
アカデミー賞主題歌賞ノミネート作品です!
オススメ度★★★★★
涙なくして見れませんが、見終わったあと暖かな優しい気持ちになります!
「ピーター・ラビット」の生みの親「ビアトリクス・ポター」の半生を描いた映画です!
1920年、上流階級の娘が結婚もしないで仕事をもつなど考えられない時代、
ビアトリクスは親の嘆きを気にもせず自分の夢に向かってまい進していた。
彼女の夢は、夏に滞在する湖水地方で出会った動物たちと物語を添えて絵本として
売り出すということだった。
とうとうある会社が彼女の絵本を出版してくれる事になった。
末の弟の初仕事にとオーナーがとっさに考えたことが、偏見の無い編集者と
ミス・ポターのコンビですばらしい絵本が世に出る事になった。
二人の息はぴったりと合い、つぎつぎ新しい絵本が生まれ、ベストセラーとなる。
しだいに惹かれる二人。
しかし、ビアトリクスの両親は商人との結婚はダメと、認めようとしない。
女は結婚が幸せと考えられた時代、仕事を持ち自立した生き方を貫いたミス・ポター。
その生きる姿勢や飾らない人柄がチャーミングで躍動感があふれ出るような作品でした。
夢を持つ事が生きる原動力なり、夢に向かって努力することがいかにすばらしいか、
すがすがしい思いでした。
ビアトリクスを演じるレニー・ゼルウィガーの生き生きとした表情とイギリスの
湖水地方の自然の美しさふにとても感動します。
オススメ度★★★★★
久しぶりに、DVDでしっとりとしたいい映画を見たな~という思いです。
ちょっと突込みが足りないな~?と物足りなさも感じたのですが、
重苦しいテーマをホッとする余韻を残したて描いています!
特急列車を運転するトムと看護師のメーガンとの夫婦の間には子供も無く、
癌を患っていた妻の病む姿を見たくないトムは仕事に逃げ込んでいた。
ある日、特急スターゲーターを運転している最中トムは前方に
障害物を発見する。
急いで減速するがブレーキは踏めない。
カーブがあるので急停止をすると列車が危ない。
トムは、相棒の急停止の意見を無視して減速しながら走らせた。
障害物は少年と母親が乗っていた車だった。
少年は母親を助けようと必死に努力したが、睡眠薬を飲んでいた母親は
動かず死亡、少年はぶつかるぎりぎりで逃げて助かった。
少年は11歳で、27歳の母親と二人きりの暮らしだった。
少年ディービットは、トムが母親を殺したと激しく非難する。
早すぎた出産で生活に疲れ、息子と一緒に心中しようとした母親でも
かばおうとする少年がいじらしく切ない。
子供のいない1組の夫婦と母親を失った少年が出会い、癌で余命いくばく
も無い妻のつかの間のしあわせと夫としてのトムの微妙な
心の変化を描いている。
監督はクリント・イーストウッドの娘「アリソン・イーストウッド」の
初めての作品で女性らしい肌理細やかな演出とたんたんと描く中に
激しい感情の揺れを描くのが旨い。
孤児となったディービットがトム夫婦に救いを求めメーガンの優しさと
トムの厳しさに心を開いていくさまに映画ながらもホッとして心温まる
ものを感じる作品でした。
ツッパリ中年男トムも次第にディービットに愛情を感じ始めるのもいい。
彼もまたディービットと同じような育ち方をしていたのだ。
トムを演じるのはケヴィン・ベーコン、文句無く旨い俳優です!
原題どうりなので、どんな意味なのか?はじめ戸惑ったのですが、
「鉄道と絆」という意味かな~と思います。
鉄道技師としてのトムと癌をわずらう妻と血の繋がらない少年との絆を
まさに描いた作品でした。
オススメ度★★★★★
映像もいいし、心温まる映画です!