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年金だけでも楽しく暮らしたい~シニアLife

すこし昔の暮らしに憧れて~手作りに目覚めた年金生活者のブログです。

日蔭のふたり

イギリスの文豪「トマス・ハーディ」の原作を映画化した作品です。

舞台は、19世紀のイングランドで、早く生まれすぎた故の悲劇としか
言いようがないが、結婚という形態を突き破ろうとした男女の物語。

日蔭のふたり
/ アスミック
ISBN : B000BM6HNQ
スコア選択: ※※※※


ジュードは、両親が離婚したので伯母に育てられていた。

ある日、彼の通う小学校の教師がさらに大学へ行って学びたいので、
辞めると聞かされる。

彼は、向学心に燃えていて、いかに「学ぶ事が大切」かをジュードに
教え諭し、彼に別れの言葉として伝えた。

この教師の言葉がジュードを学問好きな青年と育てたのだった。

青年となった彼は、石工として働きながら、暇さえあれば本にかじりつき
独学で勉強していた。

そんな彼に、豚飼いの娘・アラベラが好意を抱いてアプローチしてきた。

アラベラの妊娠したという言葉で、二人は結婚する。

しかし、二人の結婚生活はすぐに破綻してしまう。

妊娠も間違いだった。

「豚飼いの仕事」と結婚生活の現実に、ジュードが耐えられないのに
アラベラは気づいて、オーストラリアへと去ってしまった。


一人になった彼は大学都市クライストミンスターへ移り、再び石工を
しながら大学進学を夢見て勉学に励むのだった。

ある日、いとこのスーが伯母に頼まれたと、彼を訪ねてくる。

彼女は、知的ですべてにおいて進歩的な考え方をしていた。

次第にひかれ始めるふたりだが、いとこ以上の関係にはならず、
交際を深めていく。

何年経っても大学に入学できないジュードにも焦りが頭を持ち上げてくる。

また、スーもその性格ゆえに仕事先を解雇され、行き場のない怒りを
持ちながらも、世間に対して堂々と振舞おうとしていた。

あるとき、ジュードは酒場でアラベラと出会い、彼女と一夜だけの
関係を持ってしまう。

しかし、彼の心のなかには、スーがいた。

心の中ではやり直したと願っていたアラベラは、再び去ってしまう。

心から惹かれあいながら、結婚することにためらうふたり。

「いとこ」同士の結婚は、当時でもあったのでいとこ同士というのが
結婚のためらいではなかった。

ジュードは、アラベラとは法律的には夫婦のままだった。

スーの両親もまた離婚していて、彼女なかには教会の認める結婚が
ほんとうの結婚ではないという考え方があった。

制度上の結婚に、ものすごい反発を持っていたスー。

しかし、ジュードにアラベラの影がちらつくのに気がついた彼女は、
未婚のままの状態で夫婦として暮らし始める。

後半は、あまりにも悲劇的だ。

とっぜんアラベラとの間に男の子がいて、引き取って欲しいとジュードに
連絡が入る。

寂しそうな目をした小さな男の名前も「ジュード」だった。

そして、未婚のままふたりの赤ん坊もうまれた。

二人が結婚していないという事実は、世間からつまはじきにあうこと
を意味していた。

それでもスーは、結婚は制度上のこととして頑として受け入れない。

つぎつぎ仕事を失い、住む場所もなく、いろんな辛苦をなめて、
やっとこれからというとき、悲劇が起きる。

結末があまりにも残酷だ。

彼女が今の時代に生まれていたら、こんな悲劇も起きなかったのにと
思うと、作者はここで何を言いたかったのか?という思いが頭を
横切る。

時代が悲劇を作ったのか?彼女自身の生き方があまりにも自分本位
だったのか?

後味がよくない映画ですが、考えさせられた作品です!

鬼才マイケル・ウィンターボトムが映画化。
ケイト・ウィンスレット、クリストファー・エクルストン共演。
1996年イギリス ※15歳以上対象

オススメ度★★★★
by miqu_7cd | 2008-03-04 08:01 | DVDで映画 | Comments(0)

by mizuki
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